野ぶたのつぶやき

野ぶたの日々を淡々と

2013-01-01から1年間の記事一覧

八重の桜 「第23回 会津を救え」

「奥羽越列藩同盟」ほど弱く、また無理がある連合体はなかった、というのが個人的な印象なのです。 おそらく、私が東北で最初に足を踏み入れたのが青森県津軽地方で、自ずと最初に知るのが野辺地戦争というどうにも論評しがたい紛争であることにもよるのでし…

八重の桜 「第21回 敗戦の責任」「第22回 弟のかたき」

戦争が長期化・世界化し、戦闘員だけでなく一般人を巻き込むようになったのは第一次世界大戦からですが、そうなった背景には爆薬の原料である硝酸化合物を、大気中の窒素から安定的に作れるようになった化学的発展がある、という説があります(ハーバー・ボ…

八重の桜 「第20回 開戦!鳥羽伏見」

今回からだと思うのですが、カメラに映る人が多くいてもピントの合う人は一人が二人、という撮り方になりました。 とにかく役者に有名人が多くどうしても目移りしがち。なら「いま見るべき人はこの人!」とそこにピントを合わせ、それ以外はあたかも背景の松…

八重の桜 「第19回 慶喜の誤算」

私が高校生の時の話。 クラスで取り組むイベントごとがあり、私の友人の担当する部分でリハーサル時にトラブルがあった。イベントの運営を巡りクラスの中心的なグループとその友人でいざこざがあったこともあり、中心的なグループの側はその友人の担当する部…

八重の桜 「第18回 尚之助との旅」

今回の真の主役は岩倉具視。演ずるは小堺一機。 なんともうさんくさい動きをする御仁なのですが…武闘派集団に紛れ込んだ知識人に期待されるのは、このうさんくささを演じきる強さなんだろうな、と。 やろうと思ってやれることでもない。持って生まれた才能と…

八重の桜 「第17回 長崎からの贈り物」

今回の最後、八重の旦那は「万が一の話」として「会津が攻め込まれたらどこを守るべきだと思う?」という話をします。 「白河・日光・越後・米沢・二本松」と時計回りで会津への入り口を紹介する八重旦那。「奥州の入り口」というだけあって入り口がたくさん…

八重の桜 「第16回 遠ざかる背中」

「反長州」で幕府寄りのものが集まっていた流れが滞り、逆に「諸藩の合議で幕政を進める」という旗に人が集まる流れになる。そんな潮目を描いた回、というのがこの一回。 ただ「諸藩の合議」というのが、正直なところ歴史の素人には直感的に理解しにくい。 …

八重の桜 「第15回 薩長の密約」

物事は「Aは好きだけど、Bは嫌い」で判断できれば楽です。 しかし、「Aは嫌いだけど、Bはもっと嫌い」を判断せざるを得ない時がある。そういう場合、「AとB、どっちがより醜態をさらすか?」で風向きが大きく変わります。 おそらく幕末期の一時期、AとBをそ…

八重の桜 「第14回 新しい日々へ」

格上の人間と交わした約束を格下の人間が違えた場合、万人がそれを非難します。 格下の人間と交わした約束を格上の人間が違えた場合、それを非難した格下の人間に対し格上の人間は逆ギレして終わりです。 会津の不幸は、格上である将軍家や天皇と信頼関係を…

八重の桜 「第13回 鉄砲と花嫁」

「夫婦」は曲がりなりにも双方の合意によって成立する関係であるのに対して、「兄弟・姉妹」の関係には当事者の合意は全く存在しない。ある意味で極めて理不尽な関係。 今回の放送で一番「ううむ…」と考えさせられたのは、会津藩主・松平容保とその兄弟につ…

八重の桜 「第11回 守護職を討て!」「第12回 蛤御門の戦い」

長州が復権を目指して京に兵を向ける中、第11回で帝を京都から安全な場所に移そうとした佐久間象山が暗殺され、結局第12回で帝が京都御所にいるにも関わらず長州が京都御所に矢をかけた、そんな流れ。 長州としては第10話で長州方の要人が池田屋事件で一掃さ…

銀行の名前が変わっても直ちに影響が出るとは限らない

母が銀行口座用の印鑑をなくした、とのことでごちゃごちゃ。結局印鑑のありかは分かったのですが、そのついで的に銀行口座の整理について助言。給与振込の関係などで作ったままになってる口座が、その後店舗がなくなったり、そもそも銀行そのものがなくなっ…

八重の桜 「第10回 池田屋事件」

最初はこの大河ドラマを見ていた母親が先週あたりから見なくなりました。単純に言うと面白くないらしい。まぁ…フジテレビ的な「国民的女優がヒロインとして一喜一憂しながら主人公する」ドラマを期待するとダメなんでしょう。 「いや今日やってた話は歴史で…

八重の桜 「第9回 八月の動乱」

ちょっとでも大きな事を形にしようとすれば、自分一人の力では成し遂げられず、他の人との協力が必要になります。より大きな事を成し遂げようとすれば、より多くの人と協力しなければなりません。 江戸末期の武士にとって「時の帝と将軍をお守りする」という…

八重の桜 「第8回 ままならぬ思い」

近畿の人間が、東北の中山間地をぶらつくと「平らなのに耕されていない土地」の多さに戸惑います。それは過疎集落云々の現在的な問題ではなく、そもそも一度も畑の整備が行われたことがない土地。「近畿やったら、この谷の奥までいっぺんは耕そうとするやろ…

放送大学 「観光の新しい潮流と地域('11)」を見て

以前録画していた、放送大学の「観光の新しい潮流と地域('11)」って放送を最近まとめ見したのです。日中関係が劣悪化する前の制作で、東日本大震災時には放送が完成していたので震災も反映されていない、という事情はあるにせよ、十分今でも見られる放送内…

八重の桜「第7回 将軍の首」

「自然環境に影響されながらモノ作りをして暮らしている人」の行動は、地図を持ち出すととてもわかりやすくなるときがある。 たとえばコメを作りやすいのは水の集まる平地だし、それを運びやすいのは水路代わりになる広い川だし、そんな川の合流点にはおのず…

八重の桜「第6回 会津の決意」

会津ラーメンの全国チェーン店店頭に「八重風すき焼きらーめん」ののぼりがはためいていました。八重は後に結婚する新島襄とすき焼きをよく食べに行っていたらしく、それにちなんでの期間限定メニューらしい。しかし今のドラマのペースを考えると、すき焼き…

八重の桜「第5回 松陰の遺言」

「大河ドラマの感想を毎回書いてみよう」と続けてみましたが…そろそろ書けることが無くなってきました。友達に大河の感想を毎回書いてる人がいるんですが…あれは歴史に関して、山ほど引き出しのある人だからこそやれることなんだな、と改めて思います(苦笑…

火怨・北の英雄 アテルイ伝「最終回 最後の願い」

歴史が必ずしも「右上に進んでいくとは限らない」ってことを実感させられた場所の一つは、秋田県鹿角市の大湯環状列石だった。 「雑誌ムー」的なトンデモ文脈の中で紹介されがちな環状列石ですが、要は太陽暦に基づいたカレンダーでしかない。それよりも強烈…

「純と愛」をケアマネ目線で斬る番組を見てみたい

朝の連ドラ「純と愛」。なんやかんやで不安定な生活をしてる主人公一家なんですが、その中で安定していた方だった母親が若年性認知症になる、という展開。中高年の視聴者が多い朝ドラで、教科書通りの認知症の症状と教科書通りの対策を紹介する。NHK攻め込ん…

八重の桜「第4回 妖霊星」

普通に大河をしていた回。今回は「井伊直弼」目線での時代解説。 御三家が三人そろって井伊直弼に意見をしに行くシーンを、「まぁ、大阪市長と東京都知事が高級官僚に説教しに行くようなもんだからね~。筋が通らんよ。」と一緒に見ていた母には説明したので…

火怨・北の英雄 アテルイ伝「第3回 悲しき宿命」

東北をバイクでうろうろしていたとき、北上川の東岸を走る岩手県道14号線を走ったことがあります。今回のドラマでヤマトの軍がボコボコにされたという、一関市衣川から奥州市水沢にかけても通る道路です。 走っての正直な印象は「決して整備は悪くないんだ…

日本の外宣放送×中華圏の世界女優

「台湾出身の女優・リンチーリンが被災地を訪れる」という番組をNHK-BS1でやってたので録画して見た。外宣放送であるNHKワールドで放送したもの、とのことで、言語は英語(副音声は日本語らしいのだが録画のせいか切り替わらなかった)。被災地関連の放送内容…

火怨・北の英雄 アテルイ伝「第2話 族長の決意」

ちょっと話がそれるのですが…。 源義経が京とみちのくを行ったり来たりしていた頃に活躍した「金売り吉次」という人物の伝説が東北の各地に残っているのだそうです。 「義経を平泉に逃がした立役者」という大きな仕事から、割とどうでもいいトンチ話のレベル…

八重の桜「第3話 蹴散らして前へ」

「先進的な考えを持つ者が不遇をかこつ回」という、大河に限らずドラマにはありがちでベタな回なので、非常にコメントしにくいわけですがw ただその罰として与えられた「自宅軟禁」を、かたや佐久間象山は読書と交友を深めるのに使い、かたや山本覚馬はふて…

節目としての1.17

在阪局のMBSテレビが放送した阪神淡路大震災関連の報道番組を録画で見る。 去年は関西ローカルで放送した気がするのですが…今年はMBS制作の全国配信の様子。 「18年」が長いのか短いのか分からない、それが素直な印象。 震災後、神戸の会社として支援物資…

八重の桜「第2話 やむにやまれぬ心」

10年以上前、松代に遊びに行ったことがあります。基本的に”腐れサヨク”なので、主目的は松代大本営跡、副目的は松代大本営跡に設置された地震観測所(←これのおかげで、松代群発地震の詳細なデータが得られた、とごく一部の人には有名)。 このときに象山…

火怨・北の英雄 アテルイ伝「第1話 蝦夷(えみし)と呼ばれた人々」

通じて見ての率直な感想を言うとすれば「で、蝦夷は何を食うて生きとったんや?」の一言に尽きる。 このドラマに限らず「戦ものの歴史ドラマ」に共通してることなんですが、華々しい戦シーンとそれに関わる戦人に焦点が置かれ、戦のないときの日々の生活には…

八重の桜「第1話 ならぬことはならぬ」

数年前、兵庫県豊岡市の出石に皿そばを食べに行ったとき、ついでに郷土資料館に寄ったのです。 そこで、明治時代に活躍した出石出身の人物の紹介がされていたのが印象深く(名前は失念)。幕末の戦争で幕府側についた出石藩士たちは、新政府の下ではなかなか…