野ぶたのつぶやき

野ぶたの日々を淡々と

八重の桜 「第23回 会津を救え」

奥羽越列藩同盟」ほど弱く、また無理がある連合体はなかった、というのが個人的な印象なのです。

 

おそらく、私が東北で最初に足を踏み入れたのが青森県津軽地方で、自ずと最初に知るのが野辺地戦争というどうにも論評しがたい紛争であることにもよるのでしょうが…それよりも大きいのは近畿地方が生まれ育ちの人間には、「東北」という枠組みが広すぎて一体感をもって理解するには広すぎるのが大きい。

近畿は東北よりもはるかに狭いものの、それらが一体になったことなんてない。近畿の中心は、その時代により京阪神であったり京阪奈であったりしますが、それら各地域が同じ方向に歩んだ歴史は存在しない。

近畿よりもはるかに広く、また地形的にも降雪的にも行き来しにくい東北が一つの連合体になる。東北をウロウロしてその広さをそれなりに実感してる立場であるが故に、ちょっとあり得ない話だと思う。

 

その一体感のなさゆえに、歴史を通して関東や近畿の動向に左右され続けた。東北全体を翻弄した伊達政宗すら近畿の動向に一喜一憂し、小田原で辱めを受けてる。だからこそ、東北の連合体がそれっぽく成立した奥羽越列藩同盟とそれに関わる美談を持ち上げる風潮があるんでしょうが…なんだかな、というのが正直な印象。今回の放送で長岡藩に注目していたのはおそらく戊申戦争後の処理に焦点を当てるための伏線でしょうが…「えらいクサい話で片付けるんやな」とやっぱり思ってしまう。

初回を見つつ、もうちょっと上手に戊辰戦争を扱うのかな、と思っていたのですが…まぁしゃあないんでしょう。戊辰戦争戦後処理の最大の問題は、東北の一体感のなさではなく、日本の一体感のなさがモロに出てしまうことなんだな、と強く感じます。

 

しかし西田敏行が出てくると、その役柄とは関係なく、西田敏行を中心に大河を見てしまう。あの存在感は凄いですな…(苦笑)