野ぶたのつぶやき

野ぶたの日々を淡々と

八重の桜 「第14回 新しい日々へ」

格上の人間と交わした約束を格下の人間が違えた場合、万人がそれを非難します。

格下の人間と交わした約束を格上の人間が違えた場合、それを非難した格下の人間に対し格上の人間は逆ギレして終わりです。

会津の不幸は、格上である将軍家や天皇と信頼関係を結び、京を守る約束をしてしまったことなのかもしれません。対等でない者同士で結ばれる約束の多くは、最後”覚悟の皮をかぶった諦観”のみを頼りに成立する。切ない現実を知るために、会津はこの後大きな代償を払うことになります。

 

会津と将軍家が”ガキな大人の言い争い”を続ける中、薩摩が長州という「対等な立場の外様大名」に急接近します。対等な関係同士の連合は、「悪くなるときはすぐ関係が切れる」というデメリットと「悪い結果が出ても深い傷になりにくい」というメリットが表裏一体で存在します。

一方、会津では「代々の鉄砲一族に産まれたサザエさん」と「浪人上がりの鉄砲職人なマスオさん」の婚礼が執り行われます。このあと会津で起こる戊辰戦争の前後に二人の関係は残念な結果に終わってしまうわけですが、少なくともどちらかがどちらかの犠牲になるような結果には終わらなかった。

 

「非対称な契約」と「対称な契約」、どちらがよくてどちらが悪いとは言い切りにくいですが、こと衰退局面においては「対称な契約」の方が深手を負わずに済むのかな、と…。

 

 

ドラマの冒頭、NHKが「データ放送で語彙の解説やってます!」と小さくテロップを入れました。確かに自分自身朝廷や幕府の言葉はピンと来ず、文脈で判断してるところも多い。

母曰く、「方言が聞き取りにくいから」と字幕放送を使ってこのドラマを見てる人もいると聞きます。ユニバーサルデザイン的な大河ドラマが志向されているのかもしれません。せっかく大枚はたいてデジタル放送化したんだから、せめてこれくらいのメリットがないとやってられませんw