野ぶたのつぶやき

野ぶたの日々を淡々と

八重の桜 「第16回 遠ざかる背中」

「反長州」で幕府寄りのものが集まっていた流れが滞り、逆に「諸藩の合議で幕政を進める」という旗に人が集まる流れになる。そんな潮目を描いた回、というのがこの一回。

 

ただ「諸藩の合議」というのが、正直なところ歴史の素人には直感的に理解しにくい。

なにせ、藩の規模がそれぞれ違いすぎる。小さな藩だと今の市町村レベルのものも多くあった反面、薩摩みたく今の県を複数束ねた規模の藩もある。小藩と巨大藩が「等しい一票」を持つことはない、とはいえそれが何票差なのかをある程度はっきりさせないとただただ揉める元を増やすだけ。

これはアメリカ大統領選の「州ごとの大統領選挙人総取り制」に対する違和感にやや近い。あっちは「大統領選挙人」が形骸化してるからすっきりしてますが、おそらく日本の「諸藩の合議」はその”選挙代理人”が諸藩藩主に紐付けされたはず。その藩主が民意を反映するか、はたまた藩主を縛るしがらみに左右されるか、というと…おそらく後者だろうな、と。

 

「諸藩の合議」という言葉は、戦後民主主義しか知らない自分のような世代には聞こえがいいのは確かなのです。しかし、結果的に明治初期のおいしいところを薩長が持っていたことも考えると、仲間を増やすために「合議」という聞こえのいい旗を掲げただけなんじゃないか、と考える方が自然なんじゃないかと。

まぁいつの世も「決める」って難しい、ってことなんかな、と当たり障りのない結論で締めておきますが…こういう「どちらともいえない」結論を提示する奴が多いからこそ、声のでかい奴が議論に勝つのも日本らしさなんかもしれません。

 

そんなことよりヒロイン・八重の姪っ子を演ずる子役ちゃんがかわいいです(*^_^*)

「人間歳を取ると、脳みそをぶっ壊してでも、子供をかわいがりたくなるホルモンを出す」なんて説がある、とかなり昔に読んだ気がしますが…科学的にはともかく、実感的にその説を信じたくなる今日この頃です(苦笑)