野ぶたのつぶやき

野ぶたの日々を淡々と

ありがとう東京五輪2020、さようならオリンピック

ありがとう東京五輪2020

東京五輪2020が終わりました。

いや…自分の中では開幕前、というかJOC会長が橋本聖子氏になって早々にネットで話題になったあの動画を見たあたりで終わっていた気がします。

 


www.youtube.com

 

(全動画は右記URLの17:45頃~を参照 https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9737.html )

 

冬季オリンピック選手団団長だった橋本聖子氏(以下H氏)が、選手であるMさんに当時の首相A氏とハグをするよう強要。Mさんが前向きでないのを見てA氏は受け流そうとするものの、別の選手であるYくんがA氏とハグしMさんにハグするよう促す。結果的にMさんはA氏とハグする、という動画です。

 

これを見て、私は以下のことを感じました。

①この「いかにも体育会系なノリ」を私は反吐が出そうなくらい嫌いなこと

②そのノリの中で、自分が応援したいと思っているYくんが結果的にMさんへの”いじめ”の一端を担ってしまっていることも嫌なこと

③この事態を生んだH氏の行動はH氏が「稀代のサイコパス」であるからではなく体育会系組織にありがちな「凡百なクズリーダーの一人」であるからであること

④これを公の場で人気選手であるMさんにしてしまったH氏を、罰することもなくJOCの会長にしてしまう体育会系組織の機能不全

 

①である人が少なくなかったからこそこの動画はネット上でバズった。

そしてYくんは体育会系ではごく当たり前の行動として②のふるまいをしているのも理解できるし、私はYくんのこの行動を到底肯定できないが全否定もできない。

なぜなら③で書いた通りこのような状況は体育会系ではありがちなシチュエーションであり、私は”被害者”であるMさんの立ち位置に幾度もなっているだけでなく、”相対的加害者”のYくんの立場にも十分なりうるから。

でもその”絶対的加害者”であるH氏は罰せらることもなく結果的にJOCの会長になった。

 

これらを踏まえて…自分は【体育会系】というシステムには見切りをつけるべきだと思ったのです。

【体育会系】というシステムは”絶対的加害者”であるH氏を罰せず、かえってそれを守ることを美徳とする。その美徳はYくんという”相対的加害者”を生む。

そしてその構図ゆえに、YくんだけでなくMさんを無邪気に応援することすら【体育会系】とH氏の行動を肯定することにつながってしまう。

 

 【体育会系】というのは日本だけでなく世界レベルでも似たようなもんらしい、ということも、IOCの会長の言動からうかがい知ることができた。

今までわからないなりに理解しようとする必要性だけは感じていた【体育会系】でした。でもあれは「嫌なら見るな」以上の価値をもたない代物に過ぎない、と東京五輪2020を通して理解できた。今後はあれを理解しようとするための精神的苦痛を受けずにすむ。それを感謝したいと思っています。

さようならオリンピック

自分の中で「東京五輪2020」が終わったあと、自分がもっていた問題意識は次の2つです。

①自分は【体育会系】の祭典である「オリンピック」を見ずに済ませられるものなのか

②「オリンピック」を見ずに、がんばっている<体育会員>を応援することはできるのか

 

①は実践あるのみ。オリンピック一色になっている報道を極力遠ざけ、テレビも基本的に録画チェックですませた(まあもともとテレビはあまり見ていなかったが…)。ラジオはちょっと困るとこもあったのですが、テーマがはっきりしている番組をピックアップすることでなんとかなった。

 

心が揺らいだこともありました。

ネットで話題となっていた開会式のピクトグラム演出はNHK公式Youtubeで確認し気になる競技が自分にもあるんだなと思ったし、ごひいきJリーグクラブからも選出されていた選手の活躍は気になったし、外出先で出会った人との会話の中で知った「寝技の上手な女子柔道選手」の技は見てみたいと思った。

 

ただ、結果的に競技そのものを見てみようとは思わなかった。過去のオリンピックではいろんなことを学ばせてもらったこともありました。でも今の自分にはオリンピック観戦は必須でないらしい。ありがとう、そしてさようならオリンピック。


②は基本的にこれからの課題なんだろうな、と。
少なくとも「ネガティブな発言をせずに済む分、オリンピック出場選手の邪魔をせずに済む」という意味で「自分がオリンピックを見ない」という選択は正しかった。今後のオリンピックに関しても同様の態度で望むことで、スポーツに真摯に取り組む<体育会員>を間接的に応援していきたい、と考えています。


ただ、それは<体育会員>の応援を問題の多い【体育会系】に任せることでしかない。この猛暑の時期にコロナ禍のもとオリンピックをやる、という判断を押し切る時点で全くフェアではなかったし、それを考えなしに美談にしてしまおうとする【体育会系】のやり方はこのオリンピック期間にも随所に出ていました。

「競技内容(勝敗含む)だけでなく、一個人としても応援したいと思える<体育会員>」のみを応援するやり方を今後模索していくことが課題になるのでしょう。


ただその方針は団体競技にはそのまま通用させにくい。
目下の問題は団体競技であるご贔屓Jリーグクラブの扱い。昨年は法的に問題のある暴力行動をとった一選手に対して本人の言い分をうのみにしてまともに精査もせず、結果的に外部報道からの指摘があるまで表立った対応ができなかったという「いかにも【体育会系】らしい内輪への甘さ」を露呈した前科のあるクラブです。


【体育会系】の弊害を排した集団であると判断して応援することになるのか、【体育会系】の弊害を感じつつも”既存不適格集団”として現状維持を続けることになるのか、【体育会系】を認めないためにも応援することを止めるのか。とにかく今後しばらくは【体育会系集団】との付き合い方を計る試金石となりそうなクラブです。

 まあ…この判断自体は4年周期とかそういう時間の流れとは関係なく判断することだし、現実問題として団体競技にはファンも多く1個人のファンの動きは実のところパフォーマンスにはさして影響しない。マイペースで判断していきたいな、と考えています。